VOICE

曝け出す勇気

2020.09.23

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今日、久しぶりに電車に乗り渋谷まで映画を観に行った。
しばらく訪れることのなかった渋谷には都市開発が進み見慣れぬ
建造物も幾つかあり、こうやって記憶にある風景が知らないうちに
更新されていくのだろうとただ眺める。
映画館に着いてみると休日明けの平日にもかかわらず意外に人数は
多かった。
ここ最近は強く興味を唆られない限り映画館に足を運ばなくなった
がこの映画には何かしら刺激を得られると期待していた。
「行き止まりの世界に生まれて」http://www.bitters.co.jp/ikidomari/
”ストリートをスケートボードで駆け回る3人の若者が撮り続けた
12年の軌跡”という触れ込みに惹かれた。
それに単なるスケーターカルチャーをファッション的に扱った作品
ではないと感じられた。
全編において目も心も離せなかった。
貧困、家庭崩壊、暴力、差別、に喘ぎながらただ一つの希望が
スケートボードで街を自由に駆け回ること。
3人の少年がそれぞれに苦難を背負いながら寄り添い支え合い
ながら生きる姿は美しい。
特に感動したのはこの作品の公平さだ。
自分たちを取り巻く人たちを真実そのままに描いているように
思えた。
ドキュメンタリーといえども編集でどうにでも演出できる。
そんな作品も数多いだろう。
この少年達の曝け出す勇気に背筋が伸びる思いだ。
あるがままの自分を描くことについては音楽も同様。
常に心がけたいものだ。

 

ROMEN

2020.09.18

2019年に発表したソロアルバム「IMPULSE」でプロデュースしてくれたサカナちゃんこと細海魚とニュープロジェクト”ROMEN”を開始した。
とは言ってもハッキリとプロジェクトにしようと決定したのはアルバム制作終盤の
つい1月位前のこと。
今年3月あたりから深刻化するウイルス感染に自粛要請の噂が流れ始め予定していた
ライブツアーも中止になりそれまで気張っていた気持ちも何もかも一気に頽れた。
ただ無気力にこの先の展望もないままに何も考えたくない期間が約1週間ほど続いたが徐々に気持ちも前向きになりこの有り余った時間だけがある時にこそいち早く何かをしなければと思い始める。
毎日真っ新な気持ちでレコーダーに向き合い思うままにレコーディングしていく。
時の流れをまったく気にせずに思う存分音を紡いでいった。
何曲か形になった時にサカナちゃんに連絡してみた。
前回同様にプロデュースを依頼するか、それともより深くコラボレートするか迷ったがきっとサカナちゃんも自分と同様にこの状況に困惑しているに違いないと思い、
ならばそんな弱気を払い除け共同で2020年の音楽を作りたいと願い出てみた。
サカナちゃんも快くこの提案を受け入れてくれて遂に二人の共同制作が開始した。
自分の音世界をこれほどの信頼を持って託せる相手は他にはいない。
どの曲をとっても自分一人では描くことができない世界がある。
まさにこれこそコラボレーションだと思う。
対等にお互いの世界に向き合いその個性に敬意を払い尊重し合える事は
音楽を作る上で理想的な関係だと言える。
そして遂に1st Album「AO」が完成した。
きっと一生忘れることのない2020年に生を受け生まれた音楽をどうぞ
お楽しみください。

最高の相棒である細海魚に感謝!

照井利幸

今、俺にできること

2020.09.18

みなさんご機嫌いかがでしょうか。
長らくご無沙汰していた投稿だがサイトリニューアルを機に
約9ヶ月の間に俺が考えた着いたことについて書きます。

2020年早々に雲行きが怪しくなってきたコロナウイルス感染。
1月のライブツアーは決行できたがそのツアー中にもどんどん深刻化して
予想を大きく上回り世界に拡大していく。
新聞やTVのニュースを観ても今一つ実態もわからず実感もないまま時ばかりが
流れていく。
昨年末あたりからTHEREというショップの在り方に今一つ納得がいかないまま
ウイルス事情も重なり2月をもって閉店とした。
今まで俺なりに小さな挑戦をあれやこれやとやってきたつもりだったが、
俺にとっても店に来てくれる客にとっても意義ある場所にはなれなかった。
服作りにかける情熱もその意義も今となっては消えてしまい
自分の価値観や世界観がこの時代には合わないという現実を痛いほど感じた。
その反対にこの現実に寄り添って生きる自分も嫌だ。
そんなことをウダウダ考えていても音楽だけは永遠に作り続けたいと思える。
そう思える一番の理由は俺の場合、自分の世界だけで完結できるからだと思う。
自分から自分をハッとさせる音が生まれた時、どんなに傷心していても
何もかもが喜びと高揚感で満たされすべてがAll rightになる。
誰がなんと言おうとこれが俺の音楽だと自分を信じることができる。
生きることの原動力は自分を信じることなんだと実感する。
この時点ですでに一つ達成していると言える。
じゃあ次はこの音を誰かに聴かせたいなぁって思う。
とてもシンプル、ただそれだけで幸せなんだから。
しかし、それを生業にすることで大きく変化する。
ここからが俺の苦手とする領域。
それを苦ではなく楽に変える方法はないかと考えたら意外と答えは簡単だった。
しかもインターネット社会の今だからできる事だった。
自分の世界を詰め込んだ箱をネット内に作りそれを覗きたい人たちがアクセスし
欲しいものを得る。
当たり前のことだが今まで頭ではわかっていても実感できるほどネットの世界に
依存していなかったから仕方がない。
その箱にやりたい事や作りたいもの、独り言や伝えたい事などを好きなだけ詰め込めばいい。
照井利幸の頭の中をそこに具現化する。
興味を持つ人、そうでない人、それらについてはもはや関心がない。
必要以上にアピールする必要もなくいつでもそこに存在する世界を提示したい。
自己顕示欲が旺盛なこの世の中では消極的なのかもしれないが何はともあれ
俺にとってのやりがいがありそこを訪れる人たちに何かしらの有益な意義があれば
すべてAll rightだよな。